映画『死霊館(しりょうかん 原題: The Conjuring)』にて登場し大人気となった呪いの人形アナベル人形。このアナベル人形は実際に存在し呪いの影響を受けてしまったと考えられる事件も起きている実話なんです。
人を癒す存在のはずの人形が、なぜ呪われた人形として世に広まったのか。
その不気味な歴史に迫ります。
実際アナベル人形は、オカルトやホラー好き以外にもホラーが苦手な人たちにもホラーアイコンとして広く知られています。
海外の呪われた人形といえばチャッキーかアナベルと答える人も多いはず!
この記事を読んでもアナベル人形に呪われません!
アナベル人形の起源
映画の元ネタとなった本物の人形
ラガディ・アン
映画では、ビスクドールでいかにも怖いビジュアルでしたが、実際のアナベル人形は、アメリカの国民ならだれでも知っている「ラガディ・アン」と呼ばれるキャラクターでビスクドールではなく布製の人形です。
確かに映画のアナベル人形よりは、可愛い…。
きっかけ
1970年代に、フロリダ州に住むドナという女子大生の28歳の誕生日に彼女の母親がアンティークショップでラガディ・アン人形を購入し、娘のドナへプレゼントした。
ドナはアンジーというルームメイトとともにアパートに住んでいたため、このラガディ・アン人形は彼女の部屋に置かれることとなったのです。
しかしドナがその人形を部屋に置いてから、奇妙な現象が起き始めます。
夜な夜な不気味な音が聞こえ、朝起きてみると人形が少し移動していることに気が付きました。友人にも聞いてももちろん動かしていないとのことで、二人は気味悪がった。
ある時、ドナが自宅を出るとき人形をリビングのソファに座らせました。
しかし帰ってくると人形は彼女の寝室の中に移動していました。
さらにはドナとアンジーは自分たちのアパートで羊皮紙を見つけた。
そこには子どもが書いたような拙い文字で『Help Me/たすけて』と書かれていたそうです。
もちろん羊皮紙は彼女たちには見覚えはありません。
後日アンジーの彼氏であるルーが1人で彼女たちのアパートで留守番をしていたとき。
ドナの部屋に、何者かが侵入したかのようなガサガサする音が聞こえたためルーはドナの部屋を開けました。そこにはただ人形が横たわっていた。
人形を見たルーは突如胸が焼けるような痛みを感じた。慌てて胸を確認すると、そこには縦に3つ、横に4つ、合計7つの爪痕が残されていた。このような経験をしたルーは彼女たちへ話し彼女たちは霊媒師へ相談することにした。
人形に憑りついた少女 ”アナベル”
霊媒師は彼女たちと共に降霊会を行うことにしました。
霊媒者の人は彼女たちに、その人形には『アナベル・ヒギンズ』という名の7歳の少女の魂が宿っている告げました。実際に彼女たちが住むアパートではアナベル・ヒギンズという少女が住んでいたことが分かりました。
またアナベルは7歳という若さで亡くなってしまったため、愛され大切にされたかったと主張しているとドナたちに伝えました。人形にとりついたのが悪い霊ではなく、愛されたいと願う少女の霊だと分かったドナたちは、お祓いなどはせずアナベルが人形の中に居続けることに同意しました。
さらなる悲劇
人形にアナベルという少女の魂が宿っていることを知った彼女たちは、人形をふたたび自分たちのアパートに置き続けました。
しかし、状況は悪化することになる。
彼女たちは毎晩人形に首を絞められるという悪夢を見るようになった。
夢だと思えないほど、強く締め付けられることもあったそうです。
本当に人形に宿るのは、ただの少女の霊なのか分からなくなった彼女たちは超常現象研究家のウォーレン夫妻に相談することになりました。
超常現象研究家 ウォーレン夫妻
ウォーレン夫妻
超常現象研究家のエド・ウォーレンと妻ロレインは、映画にも登場した実在する人物たちです。
ウォーレン夫妻は、その他の有名な超常現象事件にも関わっています。
また1952年にウォーレン夫妻が設立した超常現象研究機関NESPR(ニューイングランドの超常現象研究本部)のサイトはこちら。
これらの解説記事はまた後日まとめます。
- アミティビル事件
- エンフィールド事件
- ペロン一家事件
- 人狼事件
- ボーリー教会事件
- 悪魔殺人事件
- スマール事件
- コネチカット事件
ウォーレン夫妻は、彼女たちの話を聞くと悪霊と判断するための3つの条件をすべて満たしていることに驚きました。
悪霊を判断する3つの基準
瞬間移動(人形の移動)
物質化(羊皮紙の出現)
獣の痕跡(ルーの怪我)
ウォーレン夫妻は、すぐにその人形は悪魔祓いする必要があるとしドナたちから人形を譲り受けましたが、人形を連れて自宅に戻ろうとした道中、すぐに異変が起きました。
実例①
妻のロレインが運転していた車のブレーキが突如故障したが、すぐに夫のエドが持参していた聖水を人形にかけるとブレーキはもとに戻った。
実例②
帰宅後、2人は人形をエドの書斎に置いた。しかし人形は空中に浮いては家の中を動き回った。
これらの超常現象が起きたため、ウォーレン夫妻は特別製のガラスと木のケースをつくりケースの上部には祈りの言葉を刻んだ。そして人形を封印することにし定期的に拘束力のある祈りを唱えることにした。
ウォーレン博物館
かくしてアナベル人形は、ウォーレン夫妻が設立して博物館『ウォーレン博物館』にて厳重に保管されることとなりました。
ですがここでもまだ、アナベル人形の呪いの勢いは止まりません。
呪いガチ勢じゃん
事例①:若い神父
博物館に訪れた若い神父が、このアナベル人形を見かけたときに彼女のことをウォーレン夫妻が警告したにも関わらず笑い飛ばし馬鹿にしてしまいました。彼は帰宅途中、新車が大破するほどの大事故に巻き込まれてしまい瀕死状態となってしまいます。のちに彼は事故の直前、バックミラーにアナベルの姿が見えたと語りました。
事例②:若いカップル
とあるカップルが博物館に訪れた際、やはりアナベル人形のことを馬鹿にしてしまいます。
すると帰り道、バイクのコントールを失い木に激突。運転していた男性は即死で、かろうじて彼女は助かった。彼女はコントロールを失うまえに彼氏がアナベルのことを話して笑っていたと語った。
まとめ:アナベル人形の正体
アナベル人形の話をまとめましたが、人形にとりついていたのは少女の霊で彼女が悪霊となったのか。それとも彼女の名を語る悪霊だったのか。
悪魔祓いにおいて、悪魔の名前を知るということが必要です。
よく悪魔祓いの動画などを見ますが、エクソシストは患者に憑いた悪魔に向かって「名前を答えよ!」と言っています。
それに対し悪魔は何も言わないか、嘘の名前を答えたりしています。
自分の名前が知られたら悪魔祓いされるからです。
となると、アナベル・ヒギンズと名前を教えた霊体は少なくとも少女の名前を語る悪魔なのかもしれません。
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