都市伝説やオカルトなどが好きな方は、おそらくご存じであろう史上最大の電波ジャック。
その名も「マックス・ヘッドルーム事件」
今回は、トラウマを続出させたとされる「マックス・ヘッドルーム事件」を追っていこうと思います。
事件の始まり
この事件が起こったのは、シカゴ風ピザ・スポーツチームなどで有名なアメリカ合衆国イリノイ州シカゴ。
1回目の電波ジャック
そんな平和なシカゴに恐怖が訪れたのは1987年11月22日。
WGN-TV(シカゴ9ch)と呼ばれる放送局は、その日ゴールデンタイムでニュースの生放送をしていました。内容は、アメリカンフットボールチームのシカゴベアーズがデトロイト州のチーム「デトロイト・ライオンズ」に30対10で勝利をしたというものでした。
デトロイト・ライオンズの本拠地で勝ち取った勝利だったため、沢山のアメフトファンたちがテレビに釘付け。
そんな時、突如テレビ画面が真っ暗になりました。
時間にして15秒ほど。
画面が戻ると、そこにはマックス・ヘッドルームと呼ばれる架空の有名キャラクターのマスクをかぶった正体不明の男が、奇妙な動きで踊って見せたり歩き回っている様子が映されました。
これが実際の映像です。
トラウマになる可能性があるので、自己責任でご視聴ください。
この時スポーツ解説をしていたダン・ローン氏も唖然…
彼は「えーっとですね。いったい何が起きたかと視聴者の皆様は思っているでしょうが、それは私も同じ意見です」と語っています。
なんというか、すごい不気味…。
2回目の電波ジャック
この正体不明の男による電波ジャックは1回だけでは終わりませんでした。
事件当日の11月22日深夜、再び電波ジャックが行われました。
その時、別の放送局(シカゴ11ch)では有名ドラマ『ドクター・フー』の第一話目の再放送をしていたところ画面がバチバチという音をたて画面が切り替わります。
画面には先ほどと同じマックス・ヘッドルームのマスクをかぶった謎の男が再び現れました。
1回目と同じように奇妙なダンスをするだけかと思われましたが、今回はなんと声を出したのです。
謎の男は、有名なスポーツキャスターであるチャック・スワースキーについてこのような批判的コメントを残しました。
俺はあいつより優れている!!
あの頭のおかしいリベラル野郎が!!
その後、男は唸ったり笑ったり叫んだりしました。
本来なら電波ジャックされたとしても、すぐに放送局のスタッフが対応するのですがこの時は深夜ということもあり担当スタッフは帰宅していました。
そのため電波ジャックした時間は90秒という長い間放送されることとなり、この謎の男はその間お茶の間に恐怖を振りまいていました。
ほかにも支離滅裂な不特定多数の単語をただつぶやいたり、アニメの曲を歌ったり放送もできないような汚い言葉を叫びます。
すると急に画面がカットされ、男のお尻が映し出されました。横にはまたもや謎のメイド服をきた女性がおり、男のお尻をハエたたきで叩き続け男が悶絶するという映像が流されました。
うぉぅおおおおぅおお!!
2回目の電波ジャックの映像
そもそもマックス・ヘッドルームとは?
マックス・ヘッドルームとは音楽番組のCGキャラクター。
この正体不明の男がかぶっており、事件の名前にもなった『マックス・ヘッドルーム』とは1984年に誕生したイギリスの音楽番組に登場するCGキャラクターのこと。
キャラクターのモデルは俳優のマット・フリューワーで、ドラマ化や映画化もされた。
ちなみに日本でもビデオソフトが発売されて人気になった模様…。
映画やドラマのストーリーとは?
そんな人気のマックス・ヘッドルームの映画やドラマのストーリーはこういうもの。
電源スイッチがないテレビが存在し政治や経済などあらゆることがテレビの視聴率で決まってしまうという世界観の近未来。そこでは多数のテレビ局が存在するが、中でも有名なのが「ネットワーク23」という大手テレビ局だった。
そこではエディスン・カーターと呼ばれる凄腕リポーターが視聴者の連続変死事件をおっていたが、上層部から突如取材を打ち止めされてしまう。
不思議に思ったエディスン・カーターは、新人レポーターのシオラ・ジョーンズとともに調査を開始。
なんとその視聴者連続変死事件の原因は、視聴率を上げようと開発したCM圧縮技術『ブリップバート』だった。ブリップバートは、視聴率をあげる効果をもっていたが反対に副作用として視聴者を爆〇させる恐ろしい効果もあったため上層部はエディスン・カーターの取材を打ち止めしたのだ。
あともう少しで真相を暴けるといったところでエディスン・カーターは上層部に捕まってしまう。
上層部はカーターがどこまで知っているのかを調べるために、彼をコンピューターにつなぎ記憶を引き出し再構築させた。
その結果、生まれたのがエディスン・カーターの分身でもあり自我と人格をもったCG人間
『マックス・ヘッドルーム』が誕生した。
名前のMAX HEADROOMは、自動車などの高さ制限のことで、エディスンが駐車場の高さ規制バーに頭をぶつけ気絶したときに最後に見た光景が由来だそうです。
電波ジャックの真犯人とは?
放送局の調査
この2度にわたる電波ジャックをうけ、WGNとWTTWはこの奇妙な事件を報道し犯人を捜したそうです。当初真犯人はテレビ局関係者と考え聞き込みや調査などを行ったが、結局犯人ではないことが判明。
このことを面白がる視聴者もいたようですが、基本的には困惑し不安になっていたとのこと。
通信や電波の規制を行う連邦政府機関であるFCC(米国連邦通信委員会)もついに動き出し、犯人につながる情報を提供した人へ賞金を与えることを宣言しました。
FCCは調査の結果、謎の男が行った電波ジャックの方法や撮影場所なども特定することができたものの結局2023年の現在まで犯人にたどり着くことはできませんでした。
アンチヒーロー的な存在だったのかな?
容疑者として浮上した人物 エリック・フルニエ
ですが、事件発生から数年後。
インターネットの掲示板にて容疑者なのでは?と噂される人物が浮上しました。
その人物とは映像クリエイターであるエリック・フルニエ氏。
彼は交通事故で失った体の一部をマネキンの部品を使い処置をした架空のモデル、シェイ・セント・ジョンを作った人物として有名です。
こちらの動画もかなり有名ですので、知っている人も多いはず…。
怖いので要注意。
彼の動画には、以下の共通要素があるという理由から名前が挙がったのでした。
①マスク
②前衛的な芸術要素
③小道具
ですが、エリック・フルニエ氏をよく知る人たちは、マックス・ヘッドルーム事件との関連性は非常に低いと語ったそうです。
残念なことに、フルニエ氏はアルコール依存症との長い闘いの末、2010年に亡くなってしまい真相はわかりません。
まとめ
- 史上最大の電波ジャック事件を起こした犯人は未だ不明。
- マックス・ヘッドルームは、イギリスの音楽番組のCGキャラクター。
- 容疑者として浮上したクリエイター エリック・フルニエ氏はすでに他界している。
- 都市伝説界隈での電波ジャック事件の金字塔は間違いなく「マックス・ヘッドルーム事件」